●(79)ボクの目には

1年前の、あの日・・・。
就職先も決まり、孤児院を出て自立するという希望に溢れた日。
世話になったナタリー先生に手を振り、孤児院に背を向けた瞬間・・・爆発に吹き飛ばされた。
目が覚めた時、孤児院は紅蓮の炎に包まれ、空を赤く映し出していた。
そしてそこには、一つ目の巨人「ザク」が佇んでいた。
忘れもしない、黒いザク。
隊長機であることを示す、特徴的なツノ。
ウラジ自身も、そのザクにウラジが乗っていたことを認めた。そしてそのザクと剣を合わせ、仇をとったのだ。
記憶に映し出された情景に、トラッシュの中に激しい憎悪が渦巻いた。
先生を、仲間を殺した黒いザク。
見間違えるわけがない。
燃え上がる赤い炎をその身に映しながら佇むザクに、トラッシュは激しい憎しみの視線を送った。
ウラジの僚機のザクが、トラッシュに気付いた。
銃口がトラッシュに向けられる。
そこに待っているのは、確実な、死。
記憶を辿るトラッシュは、おかしいことに気付いた。
生きている。ボクはなぜ生きているんだ。なぜこうして、今ここで戦えている?
ザクマシンガンの銃口を、ウラジのザクが制していた。
そして他のザクに、もえがる孤児院から引き上げる合図をする。
地響きを立てて、3機のザクは移動を始めた。
そこで、トラッシュは、深い記憶の底から呼び戻された。
「・・・まさか!」
「思い出しましたか?」
高い場所から見下ろしながら、マフディは薄ら笑う。
「そうです。ウラジは孤児院を攻撃していません。攻撃するわたしを止めようとしていたのです」

























































