●(56)人殺し

「ラピス! 正気にもどって!」
トレミーの呼びかけにも、ラピスのサイコガンダムは止まらない。
シャトルは既に上空に消えた後だが、意味のない戦いは続いていた。
ラピスは気づいているのだろうか。
タッカー達のシャトルは宇宙へ脱出した。
しかしラピスはまだ地上に残っている。
ラピスは、捨てていかれたのだ。
「やめろ、ぼくたちが戦う理由なんてないんだ!」
「わたしは知っている・・・おまえたちがティックを殺したんだ」
ラピスの返事に、トラッシュは驚愕を受けた。
確かにそうだ。
経緯はどうであれ、トラッシュ達はティックを殺した。
トラッシュやトレミーはラピスを救いたい一心で戦っているが、ラピスにとっては仲間の仇だ。戦う理由はあるだろう。
「ティックを返せ! おまえたちをころしてやる!」
子供のように泣き叫ぶラピスの悲しみが伝わり、トラッシュの胸は痛くなった。
ラピスは今、ひとりだ。
でも、だからこそ救いたい。
結果的にラピスをひとりにしてしまった経緯はあるが、それでもそれは偽りの生活だ。
少女が戦争なんてするものじゃない。
普通の生活に戻してあげたいんだ。
蓄積したダメージでサイコガンダムが動かなくなった瞬間、トラッシュがサイコガンダムのコクピットに駆け寄った。
「大丈夫、無事だ!」
ラピスを救出した直後、サイコガンダムが爆発する。
トラッシュ達は、ラピスを預けにマリーの家へと戻ることにする。

























































