●(54)約束

扉の前で、トラッシュとティックのガンダムがぶつかりあう。
まるで迷いがあるかのように精彩を欠くティックのアルトロンガンダムは、簡単に崩れ落ちるように膝をついた。
「そのMSは爆発する、逃げろ!」
「敵の心配をするなんて変なやつだな」
今しがた倒した敵に手を差し伸べようとするトラッシュに、ティックは苦笑した。
火花を散らすアルトロンガンダムは、いつ爆発してもおかしくない様相を見せている。
事態は一刻を争う。
「いま助けに行く!」
「無駄だ。もう間に合わない。それより、ひとつ頼みをきいてくれないか」
必死に駆け寄ろうとするトラッシュを制しながら、ティックは訴えてきた。
すでに爆発を避けられない機体の状態を見て取ったトラッシュは、頷くしかなかった。
「ラピスを助けてくれ」
目を背けようとしたトレミーは、その言葉に驚いて目を見開いた。
「あいつは子供だ。戦わせたくない。タッカーの洗脳が解ければ自ら戦おうとはしないはずだ」
優しい声でティックは言う。
トラッシュも、トレミーも、ティックの気持ちが痛いほど分かった。
仲間を思う気持ちは、誰であろうと同じものだ。
「約束だ。必ず助ける」
「ありがとう・・・・もっとはやくおまえに会いたかった」
その言葉が最後になった。
アルトロンガンダムは炎と共に四散する。
何度目だろう。人の死を見るのは。
炎で赤く照らされた機体の中で、トラッシュは考えていた。
戦争さえなければ。僕達は違う形で出会っていたのではないか?
ティックが命をかけて守っていた扉の向こうから、轟音とともに微かな振動が伝わってきた。
扉の向こうで、何かがおこっている。
トラッシュ達は、中へと駆け込んだ。
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話の面白さ!
芸術的なガンダム。
お得です。

























































