●(36)呼び起こされる記憶


砦の前で、トラッシュを呼び止めた謎の人物。
声の主はハクホウだった。
オウリュウ山脈での誓いの言葉どおり、トラッシュを助けになろうと戻ってきたのだ。
ゼータガンダムを受け取りにパーティを離れたヴァンガスの抜けた穴を埋めて余る、強力な助っ人にトラッシュ達は喜んだ。
彼女の搭乗MSは、彼女らしい機体・・・シャイニングガンダムになっていた。
砦の中に侵入しようとする一行だが、イーチィが突然なにかに反応する。
その反応に嫌な予感のするトラッシュ。
「扉の向こうに、あの黒いMSがいます」
そう言って震えるイーチィ。
黒いMSとは、Gシステム03で目撃した、謎の黒いマスターガンダムだ。
大量に生産されるデスアーミーを止めるためGシステム03を停止させようとした時、Gシステム03は勝手に再起動し、そこから幻影のように黒いMSの手が伸びてきた。
--待っていたんだ。もう目覚めていたんだね。なぜボクを拒むの?
黒いMSから、そんな少年の声がイーチィに向かって放たれていた。
あの不気味で恐ろしい光景を思い出し、トラッシュはイーチィをこの場に残そうとする。
しかし、引き返してもいい、というトラッシュに、彼女は気丈に首を振った。
逃げたくない、なぜ自分を知っているか聞いてみたい。
イーチィは顔を上げ、砦の中に進む。
扉の前では、黒いMS、マスターガンダムが待っていた。
「待っていたよ・・・」
黒いMSを駆る少年は、まるで戦闘意志がないように、淡々と言う。
「ずっと呼びかけていたのに、なぜ返事をしてくれないんだい?」
「わたしはあなたのように心の声で話す術をしりません」
その言葉に、イーチィが記憶を失っていることに気づく少年。
「じゃぁ、僕が記憶が戻るキッカケを与えてあげよう」
突然苦しみだすイーチィ。
トラッシュは、苦痛に顔を歪めるイーチィの姿に激怒して少年に詰め寄る。イーチィに何をしたんだ!
少年はトラッシュの激昂をさらりと受け流しながら、冷静に機械のように喋る。
イーチィの記憶はすこしづづ戻りはじめるだろう。そして大切なことを思い出す。
「これできっとキミも使命を思い出す」
謎の言葉を残す少年にトラッシュは襲いかかる。そんな暇はないと、デスアーミーを放ち、トラッシュ達に向かって進撃させる少年。
波のように襲いかかるデスアーミーをなぎ倒し、最後のマスターガンダムを破壊したと思った時、それはマスターガンダムの姿を模した偽物だと気づく。
少年のいうイーチィの使命とはなんなのだろう。





























































