●(28)ゼータの鼓動


ガベンジャーのMSを運んできた搭乗者は、ダークモビル同盟の本拠地で戦ったビグ・ザムのパイロット、バスリーだった。
大破したビグ・ザムから脱出したバスリーは、瀕死のガベンジャーを発見し、貴重なMSをトラッシュの元に返すことを託されたのだ。
敵であったバスリーだが、死にゆく男の頼みを断ることができず、律儀に約束を守るためにトラッシュを追いかけてきたというわけだ。男と男の約束を守るために。
改めてガベンジャーの死を知らされたトラッシュ達は、落胆した。
気休めかも知れないが安らかな死に顔だった、というバスリー。かって敵として刃を交え、悪役顔の彼だが、根は善人なのだろう。
バスリーは自分と組んでウラジを倒さないか、とトラッシュに持ちかける。敵として戦ったばかりたが、それはお互いウラジに騙されて戦わされていただけだ。恨み辛みがあるわけではない。
そしてバスリーは、ウラジの目的が「大破壊」を再び起こすことだと伝える。いまの世界を滅ぼして新しい世界を作るつもりなのだ。Gシステムを使って。
理由はわからないがいまの言葉を信じてもいい、と確信に満ちた目で言うイーチィに、トラッシュはGシステム01で彼女を助けた時の事を思い出していた。
『世界を・・・破壊せよ・・・』
イーチィ本人は覚えていないのかもしれないが、彼女はあのとき、はっきりとそう言った。
ウラジの手助けをした黒いMSは、イーチィを仲間だと言っていた。
そしてイーチィが世界を滅ぼす使命があるというのなら、ウラジが世界を滅ぼそうとしていることも確信できる。
イーチィを信じよう。
世界がよくない方向に進んでいて、それを修正しようとしているのなら、バスリーも仲間だ。
トラッシュは、かっての敵を仲間へと加える。
アメリカ大陸は、すぐそこだった。
ユーラシア大陸を脱出し、アメリカ大陸を南下する一行は、ジーズ・ユニコーン本部へと到着する。
接近したところで、ユニコ-ンの管理官から通信が入るが、それは聞き覚えのある声だった。
それは、ガベンジャーと親しげに話していた美女オリビアだった。
迎え入れたオリビアに全てを話すトラッシュ。
ガベンジャーの死と、その死がトラッシュ達を守るためだったと知ったオリビアは協力を快諾する。親友ガベンジャーが守ろうとした少年を、この手でなんとか守りたいのだ。
「ただし、ユニコーンは一切協力できない。協力するのは、わたしの個人的な意志だ」
辛らつなセリフで状況を説明するオリビア。
アイゼングラードのダスタフ総帥がトラッシュの逮捕を要請してきたため、ユニコ-ンは組織の関係上トラッシュの手助けができないのだ。トラッシュへの罪状は、「アイゼングラード軍への裏切り行為」。アイゼングラード軍は、ダスタフ総帥はナイアールの正体に気づいていないのか・・・。
「僕達はアイゼングラード軍とも戦わなくてはならないのか・・・こんなんじゃウラジ・ザースを倒すなんて無理だよ!」
仲間を失い、誰の協力も得られず、信用すらされない。
辛い現実は、世界の滅亡の接近とともに、少年にのしかかる。
それでなくても敵の力は強大なのだ。
伝説のMSガンダムにしても、とても彼らに対抗できるスペックがあるとは思えない。
そんなトラッシュに、あきらめるな、と諭すオリビアは、ガベンジャーから頼まれていた依頼の件を話し始めた。
「ガベンジャーから君たちに渡してくれと頼まれたものがある・・・」
ガベンジャーは死んだはずでは、というトラッシュに首を振るオリビア。
ガベンジャーはダークモビルを操るなにかの存在に気づき、また少年の命と世界という大切なものを守るために、自分が命をかける状況がくることを覚悟して、自ら世界中を飛び回り情報を集め、オリビアに遺言のようなメッセージを残していた。途中からトラッシュに同行するために、オリビアに調査の引継ぎをしていたが・・・。ガベンジャーがこうなることを予測して準備していたこととは・・・。
「ガベンジャーは死なない。君たちに残したこの 『力』 とともに生き続ける」
辛い宿命を背負うトラッシュ達のために調査し、新たな敵の出現に備え対抗するために、世界を守るために用意した、新しい力。
「・・・そのMSの名は、ゼータガンダム」
それは、世界を救って欲しいというガベンジャーの遺志を継いだ、新しい剣。
時を刻えて、Zの意思がトラッシュの力となる。
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MSZ-006 Z GUNDAM
微妙です劇中ではバイオセンサーの影響からか、カミーユが精神崩壊を起こすラストを迎えることになるが、劇場版Zガンダムのラストは違う展開になると監督自ら公言している。


























































